「南北経済協力シリーズ」第3編 ―2013年3月から2017年末までの核経済並進路線時期における金正恩の経済戦略

2013年3月から2017年の間、金正恩の核経済並進経済政策は、核とICBM開発に総力を注ぎながらも経済分野では現実を反映した”自律化の強化時期”であったといえる。

金正恩は、この期間、核経済並進路線に合わせて内部構造を改編した。金正恩の2013年の核経済並進路線は、実は、経済発展を遅らせても核とミサイル開発にオールインしなければならないという政策であり、核と経済”並進”に包装された”核ミサイル優先政策”であった。



金正恩は、
・核ミサイルで大々的な投資が行われないことを認識し、合営投資委員会を解散して李洙墉(リ・スヨン)を外相に任命した。


・すべての国家財政を核ミサイル開発に集中させる代わりに、党と国家の投資と補助金で維持されてきた軍隊などの分野は、自力で生きていく自力更生構造(韓国式に表現すれば経済の自律化)を強化した。
 2013年3月、金正恩は核経済並進路線を採択し、今後は国家の財政源泉は核とミサイル開発に集中させるから一般兵種は国家の支援を期待せず軍団と兵種司令部別に自力で生存できる方法を探すようにと指示した。

・2013年末、金正恩は北朝鮮で1級工場企業所と軍も独自に外貨口座を持って外国と直接貿易が行えるように許可した。
 これまでの時期は、貿易省や自分の属している上級機関の貿易会社を通じてのみ外国と取引できる体系であったが、今は生産者が直接貿易を行える資本主義式に向かうことを容認した。

・市場の数を増やすことを許容し、道と地方を結ぶ金儲けバス営業も多く見逃してくれた。

・金正日(キム·ジョンイル)の時代に始まった移動通信網を大幅に拡大し、飛行場、ホテルなど外国人の接近地域にインターネット網も設置した。

・平壌市に資金を集中させ、速度を上げて都市現代化を進行させた。また、住民たちのお金をはたくためのプール、食堂など奉仕網を平壌市に大幅に拡大させた。

・貨幣の価値

2012年$1= 5151ウォン
2013年$1= 8370ウォン
2014年$1= 7990ウォン
2015年$1= 8364ウォン
2018年$1= 8260ウォン

とある程度安定が維持された。

この時期の北朝鮮の経済発展問題について韓国内では相反する分析が出ている。韓国銀行が2016年、北朝鮮の経済成長数値を3.7%と発表すると、世界が沸き立った。基本論点は、北朝鮮が経済制裁の中でもこのような”経済性長寿値”を見せたのであれば、制裁が必要ないのではないか、ということであった。

一部では、トランプ米大統領の対北制裁強化論を無用論で覆い隠そうとして北朝鮮の経済数値を膨らませたという主張もあった。

金正恩就任後、対北経済制裁が強化される中でなぜ北朝鮮の経済長率は高く出たか。

・北朝鮮の経済が2016年までに早い成長率を見せたのは、金正恩の 展示 性建設方式と関連する。2013年から2017年まで金正恩は、毎年大きな距離を一つずつ完成させる高い建設速度を見せた。それが可能であった原因は、金正恩が恐怖政治の環境を緩和させるための政治的需要から住宅建設などを差し出し、中央党組織指導部副部長が一つの対象ずつ責任を持ってする”特殊常務組方式”を導入したからである。
 毎単位に建設対象を分け、本来の期日を執行できなければ該当機関の責任者らを更迭させる方式である。結局、セメントや鋼製など北朝鮮自体で生産可能な建設資材も時間を守るために中国から買い入れるブームが起き、輸入のために石炭などの鉱物資源の輸出と人材送出が本格的に増えた。

・その結果、北朝鮮の対中依存度がさらに深まった。
    特に、2013年から鉱物資源の国際市場価格が下落していたにもかかわらず、北朝鮮の鉱物資源の輸出は大幅に増えて中国からの輸入も大幅に増えた。
 この期間、中国会社から後払いを条件として物資を大量に輸入した。数年間、中国に負った借金は膨大に増えて今は限界点に向かっている。最近では、中国企業が中央政府に北朝鮮から借金を返してもらうために鉱物輸入を解除するように圧力をかけている状況である。
 今の北朝鮮は、1980年代末に韓国の88オリンピックに対応するために第13回世界青年学生祝典の準備のため莫大な資金を支出して経済を新たな混乱に追い込んでいた時と酷似している。

 

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください