また政治的理念の犠牲となった北朝鮮の人権問題、 誰が北朝鮮の住民を保護するのか ―北朝鮮人権財団に対する予算削減、断固反対する

毎年12月には、国連総会で’北朝鮮人権決議案’が採択されています。

今年も’北朝鮮人権決議案’が票決に移ることなく無難に採択される見込みです。このように、国際社会では’北朝鮮人権’の改善に対する関心が非常に高いです。

 

しかし、韓国では北朝鮮人権の問題解決が逆行しています。北朝鮮人権の改善において核心機構である「北朝鮮人権財団」が与野党間の財団理事の選任問題が原因でいまだに発足できずにいます。北朝鮮人権法が施行されてから2年が経ちましたが、事実上、やっとのことで息をしている死体のようになってきているのです。

 

今年の8月28日には、政府が翌年の北朝鮮人権財団の予算を今年の予算である108億ウォンから8億ウォンと、92.6%も減らして編成しました。人権財団の発足が、事実上、無期限に延期されたのではないかというおそれまで出始めています。

北朝鮮人権財団は、北朝鮮の人権改善と伸長を目的に、11年もかけて国会で通過された北朝鮮人権法に基づいて作られる予定の公式機構です。ですが、北朝鮮人権財団の発足が後回しになったため、国内の北朝鮮人権団体が財政難で枯死する危機に陥っています。

一部では、北朝鮮人権財団が発足できない根本的な原因が与野党間の理事選任の問題にあるのではなく、北朝鮮人権法の履行を望まないという理念の過剰と北朝鮮人権法の運命に無関心であるという理念の貧困にあると主張しています。

私は、韓国に来る前は、なぜ韓国で北朝鮮人権の改善問題が政治的理念の虜になってしまったのか理解できなかったのですが、今は少し理解できる気がします。私が思うには、これまで社会主義や民族主義の理念を志向してきた進歩系の政治家たちは、北朝鮮同胞たちの苦難を悲しむより、北朝鮮の政権を刺激することを恐れているようです。

彼らは、また、南北関係の特殊性を理由に人権の普遍性を否定し、南北関係の進展や民族統一のためには、北朝鮮同胞の人権が留保されてもかまわないと思っているようです。一部の保守政治家たちも、人権こそ自由民主主義の理念の核心要素であるという認識が不足し、これを実現しようという意志も弱いようです。

国会で与野党の合意によって可決された北朝鮮人権法は、国民の要求であり、命令であるため、法を作っておきながら、北朝鮮人権という言葉に対して’アレルギー反応’を見せることや、馬耳東風と執行をしないことは、どのような理由であっても納得がいかないです。

北朝鮮同胞の人権が南北関係の進展、または、特殊性に従属され、民族の統一のために犠牲されてもよいとするのは、文明の進歩と人類の良心に反するものです。南と北の統一を成し遂げる上で最も先次的な問題は、北朝鮮住民たちを韓国の住民と同様に扱うことです。北朝鮮の人たちも韓国の住民と同様に人類の普遍的価値である人権を享有しなければならないのです。北朝鮮の住民たちを韓国の住民と同様に扱わない限り、統一は、空しい叫びに過ぎないのです。

政府と与野党の政治界に嘱したいです。まず、北朝鮮人権財団を発足させ、不十分ながらも北朝鮮人権法を施行することが北朝鮮の人権状況を改善するための第一歩となるということを認めてください。

 

そして、人権財団の運営の主導権をめぐる争いをしながら時間を無駄に過ごすのではなく、大乗的レベルで妥協をしてください。

 

北朝鮮人権財団を早く発足させてこそ国際社会に向けて北朝鮮の人権状況の切迫性が伝えられ、韓国の国家的品格も維持することができるのです。政府は、1年経ったにもかかわらず、いまだに任命していない「外交部の北朝鮮人権国際協力大使」を早く任命することによって、北朝鮮人権の改善問題を無視しているという印象を消すことが必要です。

北朝鮮の人権状況を改善するためには、市民団体の役割も非常に重要です。市民団体が政府の支援のみに頼っているのではできることが何もないのです。国民の中に入っていって積極的な広報活動と教育を行って、北朝鮮の人権状況と北朝鮮人権法に対する国民の認識を高めなければならないのです。

政府と政界、市民団体が共に協力し、努力してはじめて、北朝鮮人権問題が時代錯誤的な理念の影響から自由になることができます。

 

韓国社会が先頭に立って、北朝鮮の住民が韓国の住民と同じ人権を享有する日を早めるように努力することを切に望みます

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