北朝鮮、終戦宣言の目的は、UN軍司令部の解体である。

2018年8月1日

 

北朝鮮が休戦協定締結の65周年である先月の27日、米軍の遺骨を返還しました。これに先立ち、西海(ソヘ)にある衛星発射場の解体作業に入ったという報道が出ました。

 

北朝鮮は、シンガポールで行われた米朝首脳会談での合意を履行するには、”順次があるもの”とし、北朝鮮は順序どおりに動いているため、今度は、米国が終戦宣言に応じる順番であると促しています。 一方、米国は米朝首脳会談の核心が、北朝鮮の非核化であるとし、確実な非核化がない限り、終戦宣言は難しいという立場です。韓国の一部の人々は、北朝鮮が米朝首脳会談で合意された内容に従っているのであるから、米国も終戦宣言に応じるべきであると主張しています。

事実上、北朝鮮が米朝首脳会談後に行ったミサイル試験場の部分的解体や米軍の遺体返還などは、非核化とはかけ離れた誇示的な措置であります。

金正恩は、板門店(パンムンジョム)宣言の採択の一週間前である4月20日、労働党中央委員会の全員会議で北朝鮮の核兵器を’平和の守護である強力な宝刀であり、後世、永遠に幸福を享受できる確かな担保’と強調しました。そして、7月初め、北朝鮮当局は、党幹部を集めて’核兵器は、先代の首領たちが残してくれた高貴な遺産であり、我々に核がなけれ死’ということを強調する内部講演を行ったといいます。

ポンペイオ米国務長官は、数日前、上院外交委員会の聴聞会で、北朝鮮が板門店宣言と米朝首脳会談後も”核分裂性物質を生産し続けている”と発言しました。

北朝鮮は、ポンペイオ長官の3次訪朝の際に合意した非核化実務グループを構成することを拒否しつつ、終戦宣言の宣伝に集中しています。北朝鮮が非核化に向けた実質的な措置を行わず、終戦宣言に集中しているのは、核兵器を持ったまま、在韓米軍撤収の先行過程である在韓国連軍司令部を年内に解体させることを目的としているからであります。

実は、韓国軍に対する作戦統制権が韓・米連合司令部にあり、国連軍司令部は、停戦協定と関連した任務のみに携わることになっているため、その存在自体には意味がないようにみえます。しかし、駐韓国連軍司令部は、形式的に朝鮮戦争の参戦国に対する指揮権を行使しており、国連軍司令部の諸活動に対する報告書を安保理に提出しています。易しく言うと、韓国に対する軍事的保護の責任を駐韓国連軍が取っているという象徴的な形式を維持しながら、韓国で戦争が起きることを遮断するという抑止機能を遂行してきたといえます。

現在、国連軍司令部には、米国をはじめ、オーストラリア、カナダ、フランス、ノルウェー、タイ、英国など、朝鮮戦争の時、国連軍として参戦した諸国が参加しています。一部の国々は、韓米連合演習に連絡将校または小規模な軍事人員を派遣し、韓半島で再び戦争が起きた場合、韓国と共に戦うといった’連帯のメッセージ’を北朝鮮に送っています。

私は、イギリス駐在北朝鮮公使と働いていた際、英国が’キーリゾルブ’や’鷲’といった韓米連合訓練に参加する度に、英国外務省と国防省に抗議しに行きました。その度、英側は、国連軍司令部の会員国として与えられた使命を果たしているにすぎないと言いました。現在は、中国が国連安保理常任理事国であるため、再び、6.25のような災難が起きても、国連軍派遣を内容とする国連安保理決議はされないはずです。

米国と韓国は、終戦宣言に先立ち、北朝鮮の核能力を正確に把握し、確実に廃棄する手続を開始することを北朝鮮に要求すべきです。

北朝鮮は、交渉を進展させるため、西海にある衛星発射場の解体作業を検証の枠組みの中で進行させるなど、相互に確認可能な非核化措置に応じることによって、終戦宣言の採択に有利な環境を作らなければならないのです。北朝鮮が非核化手続の検証に対して否定的な態度で一貫すれば、非核化意志の真正性を疑われ、年内に終戦宣言を採択させるという目的も実現できなくなるはずです。