米、強盗さながらの要求―北朝鮮に対し、強力な非核化方法を提示せよ

2018月7月11日

 

ポンペイオ米国務長官の訪朝がやはり何の成果もなしに終わりました。

ポンペイオ本人は‘会談で進展があった、実務グループを組織し、非核化問題を協議していくこととした’とし、訪朝の成果を強調しようとしましたが、北朝鮮外務省は、ポンペイオの訪朝後、米朝関係が‘(自分たちの)非核化意志が揺らぎかねない危険な局面’に直面したと評価しました。

北朝鮮がこのような評価をしたのは、米朝首脳会談を中止するというトランプの声明に驚き、慌てて板門店(パンムンジョム)で文在寅(ムン・ジェイン)大統領に会い、また、金英徹(キム・ヨンチョル)をワシントンに送った金正恩に余裕が出てきたことを意味します。

中国という心強い味方を作り、南北・米朝首脳会談を通じて初期の成果を出したのであるから、今は、余裕を持って駆け引きをしてみようという姿勢なのです。

ですが、このような北朝鮮の姿勢から、北朝鮮が北朝鮮外務省のスポークスマンの談話を通じてこれまで主張してきた北核問題の「段階的・同時的解決方法」について私たちは認識することができたのです。北朝鮮は、‘先に信頼関係を構築した後に、非核化という米朝首脳会談の結果’に基づいて、非核化措置の一環としてICBMのエンジン実験場を廃棄するから、米国は終戦宣言という‘等価物’を出せ、という一貫した立場をとっているのです。つまり、終戦宣言を採択した後、次の段階として対北制裁の解除と平和保障の構築、非核化を同時に議論してみようということであり、議論のテーマとして米軍戦死者遺骨返還問題をも加えています。

北朝鮮のこのような立場は、韓米連合訓練を一時中断するといった補償措置を先に取ったのであるから、申告のようなもっと具体的な非核化措置をとらない限り、終戦宣言はできないという米国の立場とは隔たりが大きいです。北朝鮮の立場に対しては、非核化の複雑な履行段階を作っておき、段階ごとに交渉を重ねながらゆっくり進展させ、結局は、非核化という終着点にはたどり着かないのではないかという疑念を抱かざるを得ないのです。

6.12米朝首脳会談を前後に、ベールに包まれていた米国と北朝鮮の非核化問題をめぐる本質的な立場の違いが明らかになりました。

北朝鮮外務省のスポークスマンの談話は、米朝首脳会談の精神が信頼関係の構築であり、CVIDは強盗さながらの要求であると強調しました。 私たちは、この談話を通じて、国家の首脳たちが発表する合意文の文言一つ一つはもちろんのこと、文章の順序自体までもが今後の具体的な履行過程においてどれほど重要な影響を及ぼすのかよくわかったのです。

北朝鮮では、北朝鮮外務省のスポークスマンの談話を作成するのに、数十名の専門家を動員し、最終的に金正恩の決裁を受けてから発表します。それほど北朝鮮は、文書の文章と文句、手順を緻密に計算して作成します。

6.12米朝首脳の合意文書には、北朝鮮の非核化のロードマップは含まれず、米国が数年間、維持してきた‘先に非核化、後に対話’という内容ではなく、‘先に信頼関係の構築、後に非核化’という内容が文書化されました。今後、北朝鮮は、米朝首脳会談の合意文書をもって、交渉をする度に米国を窮地に追い込むはずであり、米国が北朝鮮との交渉の場で主導権を握ることは難しくなったといえます。

ですが、米国には対北制裁という大きな交渉カードがあります。

今、金正恩は、北朝鮮創建70周年である9月9日の前に米国と終戦宣言を発表し、対北制裁を緩和させ、北朝鮮の住民たちの前に、不可能を可能にした全知全能な指導者として現れようという計画を立てています。ですから、北朝鮮は、米国と交渉を続けていくはずです。

北朝鮮外務省のスポークスマンの談話がポンペイオを非難しながらもトランプ大統領に対する‘信頼を置いている’とし、トランプの顔を立てたことから、北朝鮮は交渉の決裂を恐れていることがわかります。したがって、今後、米国がどのような戦術をもって北朝鮮と交渉していくかが大変重要であります。

現在、米国や韓国は、北朝鮮の非核化を実現させる具体的な方法を明らかにしていません。韓国は、南北関係の改善を非核化の誘因策として使うとしていますが、米国は、非核化がうまくいかない限り、対北制裁という交渉カードを活用するといった曖昧な案しか出していないのです。米国と韓国は、“米国が強盗さながらの要求をした”との北朝鮮外務省のスポークスマンの談話に対して、明白に答えるべきです。米国や韓国は、終戦宣言に代えることのできる北朝鮮の非核化に対する具体的な要求をし、それが履行されない限り、終戦宣言はもちろんのこと、対北制裁の解除もないという確固たる立場を明らかにしなければならないのです。

米国は、北朝鮮に対して、11月にある米国の中間選挙の前に、北朝鮮の非核化の過程で、何かを達成させなければならないといった焦りを見せてはならないのです。喉の渇いた者が先に井戸を掘るといった言葉があります。今、窮地に追い込まれている方は北朝鮮です。大変な時には交渉の場に出て、峠を越すと再び交渉の場を立ち去るというのが北朝鮮外交の方法です。

韓国は、北朝鮮の非核化を米国に任せきりにするのではなく、北朝鮮との交流と交渉の機会がある度に、北朝鮮の非核化を促し、米国を側面から支援してあげるべきです。